ベトナムは稲作文化を生活基盤とした農村共同体が緊密な結びつきを培ってきた、水豊かな国である。また歴史的に多様な文化や思想を取り込みつつ独自の文化を築いてきた。人口の半数近くが若年人口で構成されており、今後の発展を予感させる「若い」国である。ベトナム北部に政治の中心である首都ハノイ、南部に経済の中心であるホーチミン、そしてそのほぼ中間に主要な港湾都市であるダナンが位置する。本計画地のあるホイアンは国際空港を抱えるダナンから南へ25km下った所に位置し、ミーソンやフエ遺跡といった他の世界遺産へも近い。
ホイアンの人口は約12万人、年平均気温は約26℃、南西モンスーンによって台風の影響を受けやすい地域でもある。観光地としての魅力に富むホイアンは、今後更なる成長が見込まれる。コーヒー生産がフランス統治時代から始まったベトナムでは最近カフェが一息つける場所として増えてきており、ホイアンでも観光客の利用がみられる。
ドイモイ政策により西欧の資本と技術が導入されるようになり特に観光サービス業の分野は大きく伸び、重要な外貨獲得源となっている。今後もこの分野はさらに成長するとみられるが未だサービス産業就労者への教育体制が整っているとは言い難い。これからのベトナムのサービス産業発展に就労前の適切なサービス業教育の場を設けることが必要不可欠であろう。
海岸沿いに位置し、街中に川が流れるホイアンでは海や川との生活密着度がかなり高い。暫々洪水にも見舞われてきたが下階に水が浸水しても上階へ家財道具を動かして対応するなど洪水とも「共生」して暮らしてきた。この先の発展において自然に委ねて「共生」する暮らしの知恵と共に今後各々が環境への意識を高めて生活することが重要となってくるだろう。その際に日本が環境問題で経験してきたことやそこから培われた技術をベトナムで活用することはとても有意義なことである。
Hoa Sua Training Restraurant. @Hanoi